輪郭をなぞりながら、そろり日々をたどるメモ

全盲として過ごす、ささやかな日々の記録。

見えなくても、夢の中では景色がある

🌙 見えなくても見る「夢」の話

今日は、「夢」の話をします。
寝ているときに見る、あの夢です。

目が見えない人は夢を見るの?
この質問、私は耳にたこができるほど聞いてきました。

結論から言うと――
目が見えなくても夢は見ます。

もちろん、夢をほとんど見ないくらい眠りが深い人でなければ、ですけど。
ただし、
どんな夢を見るのか は、人によって少し違います。


👁️ 夢に出てくる「映像」の違い

大きな違いが出るのは、
ひとことで言えば
「映像」 です。

目が見えないといっても、
👉 生まれつき全盲の人
👉 途中で見えなくなった人(中途失明)
👉 弱視の人

など、状況はいろいろあります。
その違いは、夢にもちゃんと表れるんです。

私は中途失明で、
弱視ながら
17〜18年ほど見えていた時期 があります。

その間、自分の目で集めた視覚情報を、
脳のハードディスクに保存してきました。


🧠 脳の中の「映像データ」

全盲になった今でも、その記憶はとても役に立っています。
たとえば、
☀ 太陽
🌙 月
✨ 光
☁ 雲
🎨 色彩

こういった、手で触れられないもの。
もし一度も見たことがなければ、イメージするのが難しいものですよね。

でも私は、過去に見た経験があるので想像ができます。
そして
その記憶をもとに、夢にも映像がつきます。

夢に一度も行ったことのない場所や建物が出てきたとしても、
どこかに
現実で記憶した視覚情報のかけらが混ざっているはずです。


🎬 夢は「目」で見るものじゃない

夢は、目で見るものではありません。
頭で見るものです。

だから今でも、
私の夢にはちゃんと映像があります。 ただし、少し面白いことも起こります。


🧑 声から生まれる「夢のキャラクター」

失明したあとに出会った人が夢に出てくる場合、
その人は
声や人柄から想像したビジュアル で登場します。

しかも、私が意識して
「この人はこんな見た目かな?」
と考えるわけではありません。

最初から、
当たり前のようにそういう姿で出てくるんです。

脳が勝手にキャラクターを作って、
そこに実在する人の声や話し方を付与する。
そんな感じです。


👨‍👩‍👧 家族は「昔のまま」

一方で、
両親や妹が夢に出てくるときは、
私が見たことのある姿 で登場します。

今では20代になった妹も、
私の夢の中では
幼いころの姿のままです。

大人になった姿を見たことがないからでしょう。
たまに脳が勝手に
「現在の妹」を作ることもありますが、
家族の場合はなぜか、
実際に見たことのある姿 で出てくることがほとんどです。

ちなみに、失明後に出会った夫は、
幼いころの姿も知らないので、
見た目は100%想像 です。


📷 記憶の「解像度」

もうひとつ面白いのは、
脳に保存された映像データの
解像度 です。

これは、自分の視力に大きく依存します。
私は弱視だったので、
見えていた頃から、すべてが鮮明だったわけではありません。

だから、頭の中に保存された映像も
決して高解像度とは言えません。
見えにくかったものは、夢の中でも見えにくいまま。
あるいは、脳が勝手に補完します。
さっきの「失明後に出会った人」のようにです。


🌌 映像のない夢

では、生まれつき全く見えない人はどうでしょうか。
その人たちは、そもそも
映像データを持っていません。

でも――

触感
匂い
空気の感じ

そういった、
ほかの感覚の記憶があります。

だから夢も、
音や触覚、匂いなどで構成された夢になるそうです。


✨ 夢は感覚の記憶でできている

夢は、目で見るものではありません。
脳の中にある
感覚の記憶 が作り出すものです。

視覚の記憶がある人は、映像のある夢を。
視覚がなくても、ほかの感覚が豊かな人は、別の形の夢を。

人それぞれの記憶が、
それぞれの形で夢を作っています。
だからきっと、夢は誰にでも訪れるもの。
ただ、その
形式が少し違うだけ なのかもしれません。 🌙